4月25日厚生労働省より各地方自治体へ大型連休に向けて医療体制を整えなさいとの連絡がありました。
これにより私が勤務してる病院にも発熱患者の救急を断らないようにとの連絡があったという事です。医療関係者なら体調の悪い患者さんはなんとかしてあげたいと思うもの。でも今入院している患者さんの事を考えるとやはり新型コロナウィルスの感染力の強さが怖い。消化管穿孔で緊急手術したばかりの人や抗がん剤治療中の患者さんコロナとは無関係で自分の病気と懸命に戦っている。そんな人に感染(うつ)したらと思うと院内感染は絶対に起こしてはならない。現場の意見としてはやはり個人防護具がないのに新型コロナウィルスを疑う患者さんを診療するのは本当にギリギリもいいところ。本音を言えば「大型連休に向けて医療体制を整えるのはそっちの仕事だ!」って話です。まずは全国の病院にマスクとガウンとゴーグルを必要なだけ届けてからの話です。ノコギリやカンナが無いのに大工さんに家を建てろって言ってるのと同じです。船が無いのに漁師さんに魚取ってこいと言ってるような物です。
でももう実際には患者さんがたくさんいて待てない状況で病院側の決断も診療していく方針のようです。
医療用ガウンが足りない!
ガウンが足りない。圧倒的に足りないです。無い物は作るしか無い!という事でディスポーザブルのガウンを自分で作成します。
今回のガウンは以下の条件に合う物を考えました。
・ディスポーザブル(使い捨て)
・簡単(1枚5分くらい)
新型コロナウィルスの感染力を考慮するとやっぱりディスポーザブルが安心です。とりあえず参考になりそうな物は無いかなーと見た所、大阪大学医学部附属病院さんがゴミ袋でガウンを作成しているページのを見つけました。ゴミ袋単体だけでは作成出来ないようなのでここから工夫してゴミ袋1枚だけでガウンを作成します。
色々試作し完成しました!完成品がこちら
私が着たところ 180cm80Kgの私でも余裕です。他のスタッフにも着てもらいましたがいい感じです。
ガウンの作り方
病院にお願いして90Lのゴミ袋を300枚用意してもらいました。
ゴミ袋は100cm×90cmの物で厚さはなんでも大丈夫なのですが耐久性を考慮して0.02mm以上の物がいいと思います。あとはセロテープあるなら少し幅広のテープがいいかも知れません。
裁断
まずは袋を広げ30cmのところで切り、60cmの方は反対の端も切って広げられるようにします。
切った30cmの方は横にし、さらに50cmの位置で半分にして袋のそこの部分は切って50cm、60cmのシートが2枚出来るようにします。
60cm方も横向きに広げます。左右どちらでも大丈夫ですが端から4cmを切ります。この部分が腰紐になります。次に頭をだす部分を片面の中心に30cm5cmのT字で切ります。ちょうど頭を突っ込めば突き出せる大きさです。ここまで切ったら次は貼付作業です。
貼付
袖の部分を作ります。50cm×60cmのシートを二つ折りにし袖にします。
頭を出す部分の横に袖を付けます。筒を広げ手が入るように片面だけテープで貼り付けますが付ける時は袖のつなぎ目が身体の後ろ側に来るように気を付けてください。袖を付ける時は身体の前側が広く守られるように出来るだけ前面の接着部分が多くなるように貼ってください。
完成!
男性の場合は袖が短いですが前腕は洗えるので肘までしっかり手指衛生する事でカバー出来ます。女性の場合は裾が長いと思います。裾の長さを変えるだけで着られますので作成時に裾の長さを変えてS・M・Lと作成すると多くの人が使いやすいと思います。
追記
当院の看護部でも作成をはじめましたが女性は70Lを使用し寸法を変え作成しても十分着られるサイズだそうです。
ディスポーザブルガウンのガウンを作ってみて
白や水色のゴミ袋を使えばゴミ袋感は少ないかも知れません。感染対策ではやはり使い捨て出来るというところで感染のリスクと診療中の医療従事者の手間がかからなくていいと思います。とても簡単に作れるので現在、自宅療養中の方のご家族にもおすすめです。ガウン、手袋のあとは手指衛生を忘れずに!とても大変な時期ですが協力しあいなんとかこの危機的状況を乗り越えましょう!
私の考えたガウンが少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。
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