診療放射線技師っていう職業

雑記

私は診療放射線技師という職業をしています。今年ラジエーションハウスっていうドラマで少しだけ認知度が上がりましたが一般からみると「診療放射線技師??ん?何する人!?」って感じですよね笑 今回は診療放射線技師について現役の放射線技師が解説してみようと思います。

 

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そもそも放射線って??

ここでは難しい話は置いておいて放射線(X線)について簡単なお話をします。一般的に検査で使う放射線とは高エネルギー電磁波を指します。もっと簡単に言えばエネルギーが強い光です。エネルギーの強さを分かりやすく書くと

赤外線<可視光線<紫外線<X線

検査で使うX線とは紫外線より強い光と考えて相違ないです。原子力発電所などで使われる放射能とはまったく別物です。一般的にいうレントゲンは身体にX線を透過させてその透過したX線の量の差を写真にした物です。

レントゲン博士

ヴィルヘルム・レントゲン博士

レントゲンとは実は100年前にX線を発見しノーベル賞を受賞した科学者の名前です!我々放射線技師には馴染みの深い科学者です。なぞの電磁波を発見したという事でX線と名前を付けました。数学で分からない数字をXとするアレですね!笑

 

 

診療放射線技師とは?

英語ではRadiological technologistといい診療放射線技師法には「診療放射線技師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、医師又は歯科医師の指示の下に、放射線を人体に対して照射(撮影を含み、照射機器又は放射性同位元素(その化合物及び放射性同位元素又はその化合物の含有物を含む。)を人体内にそう入して行なうものを除く。以下同じ。)することを業とする者をいう。

簡単に言えば医師の指示の元で放射線を使った検査、治療を行える職業と言えます。医師以外でX線を人体に照射出来るのは放射線技師だけです。

 

診療放射線技師の仕事

放射線技師が行う検査の種類

放射線を使う検査、治療 内 容
一般撮影 いわゆるレントゲン
CT検査 コンピューター断層撮影
骨密度測定 骨の密度を測る検査
X線透視検査 バリウム検査など透視下にて泌尿器、整形、消化器検査を行う
血管撮影(angiography) 造影剤を使い血管の写真や映像を撮る
核医学検査(RI) 放射性同位元素を使い生理機能状態を画像にする
放射線治療 放射線を照射し悪性腫瘍を治療する
放射線を使わない検査 内 容
MRI 磁気を使った画像検査
超音波検査 超音波を使った画像検査
眼底カメラ 目の網膜を撮影する検査

 

放射線技師の検査以外の仕事

  • 被曝管理
  • 機器管理(装置の管理、掃除や点検)
  • 画像システムの管理(画像を転送や保存をするシステムの管理)
  • 画像解析(画像や検査から得られた情報を解析し3Dを作ったり検査結果を作成する)
  • 検査の準備(検査を円滑に行えるように器具や薬品を準備)
  • 検査説明(検査について詳細な説明をする)
  • 院内の委員会や学会活動

以上が主に放射線技師が行っている仕事になります。その他にも病院によっては院内の経営や広報、地域医療連携などにも関わる放射線技師もいます。

 

放射線技師が検査で気をつけている事

私が検査で気をつけている事は最適な画像を提供するということです。皆さんもX線が身体に悪い事はご存知だと思います。現在の検査装置はここ15年凄まじい進化を遂げています。それぞれの身体の体型に合わせて照射する量を制限します。機械は体型を計算出来てもその人の状況まで把握出来ません。レントゲンもCTも写真と同じ。肺をみようと思うと息が止まっていないとキレイな写真は撮れません。呼吸苦の人が息を止めるのは無理ですよね?でも医師は肺の状況を確認したいはず。息を止める事が前提に設定している機械に任せていては最適な画像の提供は叶いません。一人一人その人に合わせて設定します。機械の特性、患者さんの状況を加味した上で医師の見たい画像を提供します。

 

医療の現場でも地味で裏方

医者や看護師のように華やかな仕事ではないです。その上、検査って嫌ですよね?人に嫌な事をするのが仕事っていうのも心苦しいです。それでも定期的に検査でフォローアップしてる患者さんが元気に「先生!また検査来たよ」って来てくれるのは嬉しいですし、自分が病気を見つけた患者さんが「お世話になりました」って元気に帰って行くのは嬉しいもんです。15年以上この仕事してますがいい仕事だと思います。

 

最近高校3年生で自分の進路に迷っている方と話す機会がありました。もし診療放射線技師を目指す人がいれば少しでも参考になるかなと思い書きました。

 

 

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